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歯の根元の歯肉の部分にぷくっとふくれた出来物ができる場合があります。大きくなったり、ある時期になると小さくなったりと繰り返すこともあれば、大きさは変わらずずっと出来物がある状態の場合もあります。このような場合では、通常は痛みを伴わないものがほとんどです。ケースによっては、まれに違和感や硬い物を噛むと気になったり、軽い痛みを感じることもありますが、大抵は無症状のことが多いです。この歯肉にぷくっとできた出来物がフィステルと呼ばれるものです。これは根っこの中、または歯肉の中で慢性的に化膿している状態であることを示し、出来物の部分は中で溜まった膿が出る出口です。この膿の出口であるフィステルがないと、中で少しづつ膿が溜まっていくことになり、急性化して歯肉が腫れたりしやすくなります。症状がなくどんどん中で膿が溜まっていくと、歯根嚢胞と呼ばれる根っこの治療では完治が難しい状態になります。フィステルがある場合には、中で膿が溜まるとその部分から膿が出てゆくため、症状が急性化しづらいといえます。フィステルの治療には、根っこの中が原因の場合には、根っこの消毒を行うことによってフィステルの消退をはかります。歯周膿瘍と呼ばれる、歯の根っこには問題がなく歯周病からフィステルが発生しているケースでは、歯周病の治療を行います。いずれの場合でも、フィステルが発生した場合は自然治癒しませんので早期の治療が望まれます。